牛乳でかえって骨が弱くなる①


牛乳は「完全栄養食品」と言われ、戦後の食料のない時代には
貴重なタンパク源でもあり、牛乳200mlでCa200mgが含まれており
子供の成長や骨粗鬆症にはCaが大切ということで、給食や家庭でも
積極的に薦められてきました。

時代は食糧難ではなくなり、戦前戦後は結核が大きな問題でしたが
今はアレルギー、ガン、精神疾患、寝たきりなど
様がわりしています。
食事の指導も戦後とちがってきても良いのではないかと
思いますよね

日本人は、もともと牛乳やヨーグルト、チーズといった乳製品は
民族的には合わないということがあります。
日本人が乳製品を取るようになったのは戦後からです。
それまでの日本人は乳製品をとる習慣がなかったのです。
人はその風土にあった遺伝子を持った人だけが
淘汰されて生き残っているのです。
ですから、日本人はもともともと乳製品をきちんと代謝できる遺伝子は
持っていないことは歴史からみても納得です。

実際牛乳や乳製品に含まれる乳糖(ラクトース)を分解する酵素ラクターゼは
をほんとんど作ることができない乳糖不耐症は日本人に多いです。
乳糖不耐症では、牛乳や乳製品を食べたときに、乳糖が吸収できずに
腸管にたまり、腸管の浸透圧が高くなることで水分を引き出しお腹が張り、
おなかがゴロゴロしたり下痢をします。
アメリカでの民族間の調査では、アジア系90%、黒人系70%、ヒスパニック系50%
欧州系10%だったそうです。
牛乳や乳製品はもともとヨーロッパの民族のものなので、欧州系の方には
問題が少ないのがよくわかります。

日本人には日本人にあった食事=ご先祖さまがとってきた食事に
今の時代にあった工夫が必要ではないかと思います。
これまの骨=牛乳といった固定観念を受け売りではなく、
きちんと個々が見直していってもいいのではないでしょうか?


栄養療法医 くわじまやすこの即実践したくなる栄養療法

香川県出身。平成6年 大阪医科大学卒業後、徳島大学第一内科入局。 徳島県立中央病院にて研修、高松赤十字病院内科勤務、京都大学核医学科入局、大阪北逓信病院を経て、桑島内科医院 副院長を勤める。